SHARE:

トレッキングシューズの選び方|登山靴との違いと選ぶ基準

トレッキングシューズの選び方|登山靴との違いと選ぶ基準

売り場では、トレッキングシューズと登山靴が同じ棚に並び、値札の横に「ミッドカット」「ゴアテックス採用」といった言葉だけが添えられています。どちらを選ぶか決まらないまま、値段の近いほうへ手が伸びる場面です。

この2つの言葉に公的な境界はなく、履き心地を分けているのはソールの硬さ・カットの高さ・足型の合い方の3点です。とくにサイズは、同じ表記でもメーカーが違えば0.5センチ分ほど感覚がずれるため、数字だけで通販に進むと下りでつま先を突き上げます。

本記事では、登山靴との違い・3タイプの選び分け・サイズ合わせと洗い方まで解説します。

アウトドア一歩 編集部

アウトドア一歩 編集部

「アウトドア一歩」は、釣り・登山・雪山・海辺・BBQ・観察・クマ対策・ポータブル電源まで、アウトドアの道具選びを用途別にまとめるメディアです。メーカーが公式に公開している仕様を確認したうえで、何を見て選べばいいのかを整理してお伝えします。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

トレッキングシューズと登山靴の境界は、言葉のうえではあいまいです

この2つを分ける公的な規格はありません。メーカーや販売店が、想定する道の険しさと荷物の重さに応じて呼び分けているだけなので、あるメーカーのトレッキングシューズが別のメーカーの軽登山靴と同じ硬さ、という並びも起こります。

おおまかな傾向としては、ハイキングシューズ・トレッキングシューズ・登山靴の順に、ソールが硬くなり、足首を覆う高さが増し、重量も上がります。

境界は連続しているので、名前で線を引こうとするより、店頭で靴底をねじって曲がり具合を確かめ、くるぶしがどこまで隠れるかを見るほうが確実です。

カットの高さとソールの硬さから履ける山を逆算する手順は、登山靴の選び方で解説しています。

トレッキングシューズの歩き味は、ソールの硬さとカットの高さで決まります

ソールが硬い靴は、岩や木の根が出た道でも足裏に凹凸の形が伝わりにくく、重い荷物を背負っても土踏まずが落ちにくくなります。

反面、屈曲しないため平坦な林道や舗装路では歩幅を作りにくく、ふくらはぎが早く疲れます。

この性格を左右しているのは、靴底に入っているシャンク(補強のための芯材)の長さと硬さです。

カットの高さは、足首の可動域をどれだけ制限するかという設定です。

ハイカットは横方向のねじれを抑えて砂や小石の侵入も減らしますが、その分だけ重くなり、大きな段差を越えるときの足首の自由は減ります。

ローカットは軽快に足を運べる代わりに、荷物が重いほど不安定さが出ます。

背負う重量が増えるならソールは硬め、という関係になるので、靴とザックは切り離さずに考えてください。

容量と背面長の合わせ方は、登山リュックの選び方で解説しています。

軽さをねらった作りと、その代償

近年よく見かける軽量モデルは、アッパーに布やメッシュを使い、ミッドソールを薄くして重さを削っています。1足あたり数百グラムの差でも、一歩ごとに持ち上げる回数を掛け算すると、下山後の疲れ方が変わります。

削った分の代償は、岩の突き上げと耐久性に出ます。

薄いミッドソールは石の角の感触をそのまま足裏へ伝えますし、布のアッパーは擦れに弱く、つま先の保護も革より小さくなります。

防水メンブレン(防水と透湿を担うフィルム)入りは水を防ぐ代わりに内部が蒸れやすく、いったん濡れると乾くまで時間がかかります。

メーカーは防水の性能を公表していますが、汚れの詰まりや経年で変わるので、買ったときの状態が続く前提で考えないでください。

下りで膝や足裏への負担が気になるなら、トレッキングポールの選び方で解説している長さの合わせ方も併せて確認しておくといいでしょう。

トレッキングシューズの3タイプと、向いている人

カットの高さで分けると3タイプになり、行く山と荷物の重さから絞れます。

ローカット

くるぶしが出る高さで、いちばん軽く、スニーカーに近い感覚で歩けます。

整備された登山道の日帰り、標高差の小さい低山、旅先のハイキングに向きます。

足首の支えがないので、10キロを超える荷物や浮石の多い道では選びません。

ミッドカット

くるぶしを覆う高さで、製品数がいちばん多いタイプです。

日帰りから小屋泊まりの1〜2日、多少のガレ場を含む道まで扱えるため、最初の1足として選びやすい範囲に収まります。

ただし同じミッドカットでもソールの硬さの幅は広く、履き比べると別物です。

ハイカット

足首の上まで包む高さで、ソールも硬めの設定が多くなります。

テント泊の重い荷物、岩稜(がんりょう)や雪が残る時期の道、荷重の大きい縦走に向きます。

舗装路や平坦な道では硬さと重さが負担になるので、日帰り中心の人が最初に買う靴ではありません。

防水メンブレンの有無も分かれ目です。梅雨時期や朝露の多い道、沢沿いを歩くなら防水入りが扱いやすく、乾いた季節の低山だけと割り切るなら、通気のよい非防水を快適に感じる人もいます。

サイズは夕方の足で、山で履く靴下を持ち込んで合わせます

足は歩くと血流で膨らむので、朝の素足で合わせた靴は下りで窮屈になります。

試着は夕方に、当日履く厚手の靴下を持って行ってください。

つま先には5〜10ミリほどの余りを取り、かかとを靴の後ろへ寄せた状態で紐を締め、前後に体重を移して指が前の壁に当たらないかを確かめます。

店に傾斜台があるなら、下り姿勢での当たりまで見ておくと失敗が減ります。

長さが合っても幅(ワイズ)が窮屈なときは、同じサイズで別ブランドを試すほうが早いです。

木型はブランドごとに違い、幅広の足に合う型と細身に作られた型があります。

ブランドから絞りたい場合は、サロモンのトレッキングシューズで定番モデルと足型の傾向を解説しています。

あわせて、裾が靴に乗る長さだと紐に引っかかるので、トレッキングパンツの選び方で解説しているシルエットまで見ておくと、当日の違和感が減ります。

トレッキングシューズを長く履くための洗い方と保管

下山後は、まず泥と砂を落としてください。

靴底の溝やソールと本体の隙間に残った砂は縫い目やミッドソールを削るので、水で流してブラシでかき出し、中敷きを抜いて風通しのよい日陰で乾かします。

直射日光やストーブの前での急速乾燥は接着剤と樹脂を痛めるため避けてください。

湿ったまま下駄箱へ押し込むと、内部が乾かずに接着部から傷みます。

ウレタン系のミッドソールは、履かずに置いていても年単位で加水分解が進み、ソールがはがれることがあります。

数年ぶりに履く前は、ソールをひねって細かいひび割れが出ていないかを確認しましょう。

張り替えに対応するモデルなら、アッパーが傷んでいないうちは修理して履き続けられるので、買うときに張り替えの可否まで見ておくと、何年使えるかの見通しが立ちます。

防水スプレーは撥水の回復に効果がありますが、汚れの上からかけても定着しないので、洗って乾かした後に使ってください。

よくある質問

スニーカーで低山を登ってもいいですか

整備された遊歩道や標高差の小さい道なら歩けます。

ただし溝の浅いスニーカーは濡れた土や木の階段で滑りやすく、砂利も入ります。

同じ道を何度か歩くようになったら、ローカットのトレッキングシューズに替えるだけでも接地の安心感が変わります。

防水タイプは必ず必要ですか

必須ではありません。

ただ日本の山は雨と朝露が多く、濡れた草をかき分けて進む場面もあるので、1足目に防水入りを選ぶ人が多いです。

乾いた季節の低山専用と決めているなら、蒸れの少ない非防水も選べます。

新品をいきなり山で履いてもいいですか

硬いソールのモデルほど、街や近所の坂で数回履いてから山へ持って行ってください。当たる場所は歩いてみないと分かりませんし、山で気づいても靴は替えられません。

何年で買い替えるものですか

使う頻度で変わるので年数だけでは決まりません。ソールの溝が浅くなった、ミッドソールにひびが出た、かかとの内側が破れて足が動く、のどれかが出たら交換か修理を検討してください。

まとめ

トレッキングシューズと登山靴の呼び分けに厳密な線はなく、実際の判断材料はソールの硬さとカットの高さ、そして自分の足型に合うかどうかです。

行く山と荷物の重さで3タイプのどれかに絞り、最後は夕方の足で試着して決めれば、買ってから後悔する要素はかなり減ります。

ぜひ本記事の3タイプの選び分けとサイズ合わせの手順を参考に、自分が歩く山に合う1足を選んでください。

あなたへのおすすめ