スノーボードヘルメットの選び方|規格とサイズの目安を解説

売り場に並ぶスノーボードヘルメットは、外から見るとどれも似た半球の形をしています。違いが出るのは内側とタグで、EN1077やASTM F2040といった規格の表記、頭囲55〜59cmのようなサイズのレンジがそこに書かれています。
選ぶときに差が出るのは、規格の表記があるかどうかと、自分の頭に合っているかどうかの2点です。シェルの作りは重さと打痕への強さを左右しますが、サイズが合っていなければ、どのモデルも痛くなるか、転んだときに頭の上でずれます。
本記事では、安全規格の見方・シェル構造ごとの向き不向き・頭囲の測り方と買い間違い・使ったあとの手入れと買い替えの目安を解説します。

アウトドア一歩 編集部
「アウトドア一歩」は、釣り・登山・雪山・海辺・BBQ・観察・クマ対策・ポータブル電源まで、アウトドアの道具選びを用途別にまとめるメディアです。メーカーが公式に公開している仕様を確認したうえで、何を見て選べばいいのかを整理してお伝えします。
※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
規格表記のないスノーボードヘルメットは候補から外す
ヘルメットの内側か後頭部のタグに、EN1077またはASTM F2040という表記があるかを最初に確かめてください。
EN1077は欧州のスキー・スノーボード用ヘルメットの規格、ASTM F2040は米国の非電動の雪上スポーツ用の規格で、どちらも決められた条件の衝撃試験を通ったことを示します。
防寒帽に近い作りで規格表記のない製品も同じ棚に並ぶので、ここを見るだけで候補はかなり減ります。
ただし規格に通っていることは、どんな転倒でも頭を守れるという意味ではありません。試験は決められた高さと角度で行われるため、実際のゲレンデで起きる衝撃と同じ条件ではなく、規格表記は「衝撃を吸収する構造とライナーの厚みを備えている」ことの目安と考えてください。
EN1077にはクラスAとクラスBの区分があり、クラスAは側頭部や耳の部分まで保護範囲が広く、クラスBは耳の覆いが浅いぶん軽く通気がよくなります。
日本国内では一般財団法人製品安全協会のSGマークが付いた製品も流通していて、こちらも雪上用として基準が設けられています。
中古品や、一度強くぶつけた個体を譲り受けるのは避けてください。
内部の発泡ライナーは一度潰れると元に戻らず、外から見て無事でも吸収できる衝撃が減っています。
シェルの作りが重さと打痕への強さを分ける
構造は大きく3タイプで、どれを選ぶかで重さと壊れ方が変わります。
インモールド
ポリカーボネートの薄い外殻と発泡スチロール(EPS)のライナーを一体で成形した作りです。
軽く、通気口も大きく取れるため、リフトで登り返しながら一日中滑る人や、首まわりの負担を減らしたい人に向きます。
外殻が薄いので、硬いものに当てると凹みや欠けが残りやすい点は割り切りが必要です。
ABSハードシェル
硬質樹脂の外殻をライナーに後から被せた作りで、擦れや打痕に強い一方、同じサイズならインモールドより重くなります。パークでレールやボックスに入る人、車に積んだりリフトの手すりに当てたりする機会が多い人はこちらが安心です。
ハイブリッド
頭頂部をハードシェル、側面や後頭部をインモールドとして、丈夫さと軽さの中間を狙った作りです。
用途を一つに絞らないなら扱いやすい構成になります。
なお、斜めの衝撃で頭が回る動きを抑えることをうたう層(MIPSなど)を組み込んだモデルもあり、メーカーはその働きを説明していますが、重量と価格は上がるので必要かどうかは滑る場所から判断してください。
タイプ別に見るスノーボードヘルメットの向き不向き
| タイプ | 作りと特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| インモールド | 薄いシェルとEPSを一体成形。軽量で通気口が大きい | 朝から夕方まで本数を重ねる人、汗をかきやすい人 |
| ABSハードシェル | 硬い外殻を後付け。打痕や擦れに強く、やや重い | パークで滑る人、車載や移動で当てがちな人 |
| ハイブリッド | 頭頂は硬く、側面や後頭部は軽量 | コースもパークも滑り、用途を絞らない人 |
| ブリム(前ひさし)付き | 雪の吹き込みと逆光を抑える | 降雪日に滑ることが多い人、大きめのゴーグルを使う人 |
| イヤーパッド着脱式 | 耳部を外して通気を確保できる | 12月から春まで通して使う人 |
向かないケースもあります。
ブリム付きはゴーグルを額の上に押し上げにくい形が多いので、リフトのたびにゴーグルを上げる癖がある人には煩わしく感じられます。
後頭部のダイヤルで締め具合を変えられないモデルは、インナーパッドの厚みを差し替えて調整する前提なので、ニット帽を被る日と被らない日が混ざる人には合いません。
硬さやセッティングで滑りのタイプが変わる話はスノーボードビンディングの選び方で解説しているので、自分がパーク寄りかフリーラン寄りかを決めてから戻ってくると、シェルの選択も決めやすくなります。
ゴーグルとの隙間は試着でしか分からない
額の前でヘルメットの前縁とゴーグルの上端が合わず、指が入るほどの隙間ができる状態を、ゴーグルギャップと呼びます。
ここが開くと走行風と雪が直接額に当たり、寒いだけでなくゴーグルが曇りやすくなります。
シェルの前縁のカーブとゴーグルのフレーム形状の相性で決まるため、同じサイズでもメーカーの組み合わせによって合ったり合わなかったりします。
試着に行くなら、いま使っているゴーグルを持って行って一緒に合わせてください。後頭部にゴーグルのストラップを留めるクリップが付いているかも確認しておくと、滑走中にストラップが上へずり上がるのを抑えられます。
もう一点、ウェアのフードとの兼ね合いがあります。
ヘルメットを被った状態でフードを立てられない作りだと、悪天候の日に首から雪が入りやすくなるので、フードの容量に余裕があるかを見ておくといいでしょう。
ウェア側のサイズや耐水圧の決め方はスノーボードウェアの選び方で解説しています。
頭囲の測り方と、スノーボードヘルメットで多い買い間違い
頭囲は、眉の上1〜2cmと後頭部のいちばん出ている部分を通して、メジャーを水平に回して測ります。表記はcmの実数か、S・M・Lの記号で示されますが、同じMでも54〜58cmと55〜59cmのようにブランドごとにレンジが違うので、記号だけで選ぶと1サイズずれます。
同じ頭囲でも、頭の形によって前後が当たる人と側頭部が当たる人がいます。
被って前後左右に軽く振り、一点だけ強く当たる場所がないかを確かめてください。
あごひもを締めない状態で頭を前に倒し、すぐに落ちてくるようなら大きすぎます。
買い間違いで多いのは、ニット帽を下に被る前提で1サイズ上げてしまうケースです。
帽子なしの日にゆるくなり、転倒時に頭の上で動きます。
ヘルメットの下に被るなら、生地の薄い専用に近いタイプを選んでサイズは実測どおりにしてください。
併用しやすい形と素材はスキー帽子の選び方で解説しています。
子ども用を成長を見越して大きめに買うのも同じ理由で避け、成長したら買い替える前提で今の頭囲に合わせてください。
スノーボードヘルメットの寿命は年数だけでは決まらない
滑り終えたら、外せるインナーパッドを取り出して室内で陰干しし、シェルの内側の雪も拭き取ってください。
ドライヤーやストーブの吹き出し口に直接当てると、EPSライナーが変形するおそれがあります。
夏の間、車のダッシュボードに置いたままにするのも同じ理由で避けたいところです。
買い替えの判断で優先するのは年数より衝撃の履歴で、一度強く頭を打った後は、外観に傷がなくてもライナーが潰れている可能性があるため交換してください。
加えて、樹脂と発泡材は時間とともに劣化するので、メーカーは数年ごとの交換を目安として示している場合があります。
年数の目安は製品によって違うため、付属の説明書か公式サイトの記載を確認してください。
あごひものバックルが割れた、ダイヤルが空回りする、内装が潰れて隙間が出た、といった症状も買い替えのサインになります。
塗装やステッカーを貼るときは、溶剤でシェルが傷むことがあるのでメーカーの指示に従ってください。
板側の手入れもシーズン中は続くので、滑走後にまとめて片付ける習慣を作るならスキーワックスの塗る頻度もあわせて確認しておくと段取りが組めます。
よくある質問
スキー用とスノーボード用でヘルメットは違いますか
EN1077やASTM F2040はスキーとスノーボードの両方を対象にした規格なので、規格の面では兼用できます。違いはデザインとブリムの有無、耳部の形といった好みの部分に出るため、両方やる人が2つ持つ必要はありません。
自転車用のヘルメットで代用できますか
勧められません。
想定している衝撃の条件が別で、雪上用の規格試験を通っていないうえ、耳の保温もゴーグルとの合わせも考えられていない形状です。
レンタルで済ませるほうが安全です。
初心者にもヘルメットは必要ですか
必要です。
転倒の回数がいちばん多いのは板の扱いに慣れないうちで、逆エッジで後頭部から倒れる転び方も起こります。
スクールでは着用が受講条件になっているスキー場もあり、レンタルを用意している施設も少なくありません。
少しゆるいときはどう調整しますか
後頭部にダイヤルがあるモデルなら、まずダイヤルを締めて頭の周りの隙間をなくします。
それでも余るなら、厚いインナーパッドが付属していないかを確認してください。
パッドを足しても前後に動くようなら、サイズそのものが合っていないので交換を検討したほうがいいでしょう。
まとめ
スノーボードヘルメットは、EN1077やASTM F2040といった規格表記があるものに候補を絞り、そのうえで頭囲の実測とゴーグルとの合わせで決めると失敗が少なくなります。
シェルの作りは、軽さを取るならインモールド、打痕への強さを取るならABSハードシェルという関係で、滑る場所が決まれば自然に片方へ寄ります。
ぜひ本記事のタイプ別の比較表と頭囲の測り方を参考に、自分の滑り方に合う一つを選んでください。





