登山用レインウェアの選び方|防水性と透湿性の見方を解説

店頭のレインウェアのタグには、耐水圧と透湿性という2つの数字が並んでいます。
単位はそれぞれmmとg/m²/24hで、意味も別物です。
登山で着心地を左右するのは後ろの透湿性のほうで、汗が抜けない生地だと、雨が染みるより先に内側の蒸れで濡れます。
そのうえで生地が2.5レイヤーか3レイヤーかによって、重さと丈夫さ、肌へのべたつき方まで変わります。
数字と構造の2つを押さえれば、候補はかなり絞れます。
本記事では、防水透湿の表記の読み方・レイヤー構造の違い・タイプ別の向き不向き・洗濯と撥水の手入れまで、順に解説します。

アウトドア一歩 編集部
「アウトドア一歩」は、釣り・登山・雪山・海辺・BBQ・観察・クマ対策・ポータブル電源まで、アウトドアの道具選びを用途別にまとめるメディアです。メーカーが公式に公開している仕様を確認したうえで、何を見て選べばいいのかを整理してお伝えします。
※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
登山用レインウェアは耐水圧より透湿性の数字から見る
耐水圧はmm、透湿性はg/m²/24hという別の単位で表記され、前者は生地が水圧に耐える高さ、後者は24時間に1平方メートルの生地が通す水蒸気の量を表します。
数字が大きいほど性能が高いという読み方はどちらにも当てはまるものの、登山で快適さを左右するのは透湿性のほうです。
歩いている間は体が熱を出し続けるため、水蒸気の逃げ道がない生地だと、雨が染みるより先に内側が結露して濡れます。
非透湿の簡易カッパが水を通さないのに不快なのはこれが理由で、汗の水滴が肌に張り付いたまま休憩に入ると、一気に体が冷えます。
透湿性は製品の仕様欄に書かれていることが多く、記載が見つからない製品は街向けと考えたほうが無難でしょう。
とはいえ、透湿する生地を着ても汗の量が多ければ内側は湿ります。
ベースレイヤーに綿を選ばない、行動中のミドルレイヤーは薄くする、という下の層の組み方まで含めて考えてください。
重ね方の基本は登山ウェアのレイヤリングで解説しています。
2レイヤー・2.5レイヤー・3レイヤーで変わる重さと丈夫さ
2レイヤー
表地に防水透湿膜を貼り合わせ、その内側にメッシュや布の裏地を別に吊った構造です。膜が汗や肌に直接触れないので傷みにくく、価格も抑えやすい代わりに、裏地のぶん厚みが出てかさばります。
2.5レイヤー
膜の内側に樹脂を点状や線状にプリントして裏地の役目を持たせた構造で、たたんだときの大きさと重さがいちばん小さくなります。軽さを取った代償として、汗をかくと膜の面が肌に張り付く感触が出やすく、擦れにも弱めです。
3レイヤー
表地・膜・裏地の3枚を1枚の生地に貼り合わせてあるので張りが強く、ザックのショルダーハーネスで長時間擦れても膜が傷みにくいです。重さと価格は上がりますが、何日も着続ける縦走やテント泊なら、この構造のほうが扱いやすいでしょう。
タイプ別に向いている人とレインウェアの選び分け
同じ「登山用」の表示でも、日帰りで年に数回しか着ない人と、毎週末に稜線を歩く人とでは選ぶ構造が変わります。
| タイプ | 構造と重さの傾向 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 3レイヤーのジャケット | 生地に張りがあり丈夫。重くかさばる | 縦走やテント泊で、ザックを長時間背負って歩く人 |
| 2.5レイヤーの軽量ジャケット | たたむと小さく、重さは最軽量クラス | 日帰り中心で、降らなければ着ないまま持ち歩く人 |
| 2レイヤー(裏地付き) | 裏地でべたつきにくい。厚みは出る | はじめての1着として、着心地と価格の折り合いを取りたい人 |
| ポンチョ | 通気はよいが風であおられる | 風の弱い低山や、荷物ごと覆いたい場面に限る人 |
| 非透湿の簡易カッパ | 水は通さないが蒸れる。安価 | 登山での常用には向かない。予備として車やザックに残す用途 |
表の下2つは、登山で主役にする道具ではありません。
ポンチョは風で前が開いて雨が入り、鎖場や梯子では引っかかる危険もあります。
パンツは上下セットで売られている製品もあり、まず1着なら上下そろえてください。
上だけで済ませると、雨が続いたときに太ももから膝が濡れて、体温がそこから逃げます。
ソフトシェルや傘はレインウェア代わりになりません
撥水加工のソフトシェルは小雨をはじきますが、防水膜が入っていないため、本降りでは水が通ります。
スキーウェアは耐水圧と保温を優先して中綿や裏地の起毛が入る製品が多く、登りで汗をかく春から秋の登山には暑すぎます。
耐水圧と保温の考え方の違いはスキーウェアの選び方で解説しています。
ウインドシェルは風を止めるための薄い布で、雨は想定されていません。
傘は樹林帯の小雨なら使えるものの、稜線の風では骨が返り、片手がふさがった状態で岩場を通ることになります。
冬の雪山で使うハードシェルは生地が厚く、雪や強風を前提にした作りなので、無雪期に着ると発汗量に対して透湿が追いつきません。
サイズはザックを背負って腕を上げた状態で決める
サイズは身長と胸囲の表記から選びますが、試着では中に着る予定のフリースを重ね、ザックを背負って両腕を上げてください。
袖が手首から抜け上がる、あるいは裾が持ち上がって腰が出るなら、1サイズ上か別の型のほうが合います。
フードは後ろとサイドのドローコードを締めて、振り向いたときに視界が一緒に回るかを見ます。
つばに芯が入っていると、顔に当たる雨の量が減ります。
レインパンツは股下の長さと、裾のジッパーがどこまで開くかを確認してください。
裾が長く開く製品なら靴を履いたまま着脱でき、雨の中で座り込まずに済みます。
泥はねと裾の濡れはゲイターの使い方と組み合わせて防ぐのが現実的で、靴のカットの高さによって相性も変わります。
防水の靴でも履き口から水が入るため、上下をそろえても足元は濡れる前提でいてください。
靴側の考え方は登山靴の選び方で解説しています。
洗濯と撥水の戻し方で変わるレインウェアの寿命
「2年で染みてきた」という感覚の多くは、膜が壊れたのではなく、表地の撥水が落ちた状態です。
表地が水を吸うと表面が水の膜で覆われ、水蒸気の逃げ道が塞がるので、内側が湿って漏れたように感じます。
直すには、まず汚れと皮脂を落としてください。
中性の専用洗剤を使い、柔軟剤と漂白剤は避け、洗濯表示の範囲で乾かしてから熱を加えると撥水が戻る製品もあります。
それでも水をはじかなければ、撥水剤を足すのが次の手です。
防水膜そのものが寿命を迎えると、裏地がべたついたり白く粉を吹いたりします。
ここまで来ると洗濯では戻らないので、買い替えを考える段階でしょう。
保管は圧縮したままにせず、風通しのよい場所でハンガーに掛けておくと劣化を遅らせられます。
よくある質問
耐水圧の数字はどのくらいあれば足りますか
登山向けとして売られている製品なら、表記の数字を比べるより、レイヤー構造とサイズの合い方、手入れのしやすさで選んだほうが実際の濡れ方に差が出ます。
数字で比較したい場合は、JIS L 1092など同じ試験方法で測られた値かどうかを見てください。
表地の撥水が落ちれば、耐水圧の高い生地でも内側は湿ります。
洗濯すると防水性能は落ちませんか
汚れを残したままのほうが撥水は落ちます。
洗濯表示に沿って洗えば、むしろ水のはじきが戻ることも多いです。
ただし柔軟剤は表地に膜を残して撥水を邪魔するので使わないでください。
レインウェアを着ても靴の中は濡れますか
長く降ればほとんどの場合濡れます。
裾から入る水と汗の両方が原因なので、濡れても冷えにくいウールなどの靴下を選ぶと不快さが減ります。
素材と厚みの目安は登山用靴下の選び方で解説しています。
ザックカバーは別に必要ですか
必要です。
ジャケットはザックまで覆わないので、雨具と一緒に用意してください。
着替えや行動食は、カバーの内側でさらに袋に入れておくと安心です。
まとめ
レインウェアは、透湿性の表記を確かめてから、2.5レイヤーと3レイヤーのどちらを取るかを使う頻度で決めると迷いが減ります。
軽さを取れば擦れに弱く、丈夫さを取れば重くなるので、日帰り中心か泊まりも視野に入れるかで答えが変わります。
買ったあとは洗濯と撥水の手入れで持ちが大きく変わるため、洗濯表示は捨てずに残しておいてください。
ぜひ本記事の比較表と、ザックを背負って合わせるサイズの手順を参考に、自分の歩き方に合う1着を選んでください。


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